ホーム›狂俳日々徒然› 三栄吟社, 副会長・地区代表, 郡上地区 › 「狂俳の奥深さ」郡上地区参事 松韻亭 恵月
十二音で表現する世界一短い文芸を誇っている狂俳も、後継者不足が大きな悩みとなっています。我が三栄吟社でも、会員の高齢化と共に進む会員数の減少は顕著なものです。そのことに少しでも歯止めをかけさせるべく、二~三年に一度のペースで、新規加入会員育成の入門教室を開催しています。
最近でも、昨年(令和三年)十一月から吟社第四次の入門教室を始めました。そこで改めて認識して驚いたことがありました。教室の三日目(一か月一回のペースの教室)参加者から二回目の句作りの宿題を受け取った時のことです。一人の生徒さんから「初めて狂俳に誘われた時、滑稽と駄洒落で句を作れば良いかと思っていましたが、今回二回にわたって句を作ってみて、風雅で高尚な句から、風刺、滑稽さにユーモアを加えた表現など、その幅広さと奥行きの深さに驚きました」との発言がありました。更に加えて「こんな面白い道(遊び)があった事を知り、とことん勉強したいのでよろしくお願いします。」と言ってくれました。二回の勉強会で計十題の句を作っただけで、こんなにも狂俳の真髄を理解してくれたのかと、思わず涙が出そうな嬉しさでした。
ふと吾に返って、自分が歩いて来た狂俳の道を改めて振り返ってみると、狂俳歴四十年間余、実に多くの先輩の先生方の教えを受けてまいりました。止め字等の三原則に始まり、季語、定座、探題と一段階ごとに頭を悩ませ、又逆にそれらを追求するごとにその深さを学び、一層の面白さを実感してきたものでした。この深さへの挑戦はいつまでも続くものであり、狂俳を続けている限り終わりはないと思っています。
今回の記念誌選句に当っても、実に多くのことを学ばせていただきました。樗流会各社の一〇七社雅から二一三四句の御投吟がありました。一雅二十句一組ということもあってか、お一人お一人が自信作をご投吟されたのでしょう。かつてない程の秀句ばかりでした。その中から百句を選句するというのは、一題から平均五句の選句で、率にして四~五%ということになります。選者にとっては誠に厳しい課題であり、一日に二~三題しか選句出来ない事もありました。追吟に「記念誌に秀句盛れるや花万朶」と詠ませたいただきましたが、まさに小雅の実感であります。
このように貴重な体験が、小雅の狂俳の道を育んでくれたものと思います。今後共奥深い樗の道を探りながら踏み込んでまいりたいと、強く決意しているところであります。
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