岐阜調狂俳と俳句の研究

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行灯まつり 山県市伊自良地区藤倉の十日祭

2022.04.26 1,250

十日祭は、古くは農作業の休みの日に行う「小まつり」が原点で、松尾神社参道左右に行灯が並べられて行われていたものが始まりといわれ、その後道路事情で秋葉神社へ移り、秋葉祭のその夜に「献灯会」として毎年九月十日に行われていました。

昭和20年代ごろまで、各集落の神社の夏の祭礼に合わせて献灯会が行われて賑わったといいます。

狂俳は明治時代から山県市の旧美山町、旧高富町で盛んでした。その中でも旧伊自良村では十部落すべてに狂俳愛好者がおり、大正十年に「狂俳結社 霞耕社」が誕生しました。

大人会や樗流会を組織化した文芸タイムス主幹の山田房一氏・無香庵素堂大人はその中心メンバーでありました。

戦後も献灯会が続いていた旧伊自良村藤倉では、平成28年に十日祭を運営していた霞耕社が解散しました。しかし、行事の継続を願う有志らが翌29年に「藤倉伝統催事推進委員会」を結成して、現在も献灯会を続けています。

中心メンバーは、会長の上野欣也さんで、山県市議会議長も務めた方です。父は美丘大人、祖父は自遊大人と狂俳一家に育ち、地元の伝統を絶やしてはいけない、祭りを盛り上げようと一般だけでなく、伊自良中学や伊自良南小の生徒児童らにも狂俳の指導し、作品を募集して毎年100句ほど寄せられます。

この中から行灯に貼る一般25句、小学20句、中学15句を選び、それぞれ最上位の大尾、入選一番句の秀逸など順位を決め、絵を書き入れて行灯に飾ります。

祭当夜には、藤倉遊園地までの小道に順位の付いた行灯が並べられ、自分の作品が貼られるのを心待ちにする子どもらが早くから集まります。屋台が出て盆踊りも行われ賑やかな夏の風物詩となっています。

各部門の大尾作品(平成30年)

小学生 4年

[ 急ぐ ]
寝癖直せず家を出る

中学生

[ マナー ]
厳しい躾感謝する

一般

[ 家庭菜園 ]
丹精こめた茄子光る

満遊

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